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いやー、すごい読みごたえでした。
今まで漠然と抱いていた松田さんのイメージが一変する一冊。


前半・経営者パートと、後半・政治の世界のパートの、
スピードや空気の重さの対比が一人の方が書いているとは思えないほど違って、


この本でしか描けない、
経済界と政界を跨いだ日本のリアリティを俯瞰して勉強できました。


経営者としての前半は、
タリーズ創業から上場、上場廃止、買収事件を経てのタリーズとの決別、
さらにシンガポールに渡っての事業チャレンジと
エッグスンシングス日本上陸
にまつわるあれこれ。

これだけでもビジネス自伝書として
困難の連続でありながら、
ブレない情熱や経営手腕で次々と挑戦されていくストーリーは痛快でもあり、
勉強になりつつ、


後半は一転、
後半は参議院議員になられてから去年の安保法案成立、そして現在に至るまでの5年間。


ビジネスだといろいろあっても
「結果がすべてを癒やす」的なところがありますが、

成果の見えにくい政治の世界、今の日本では、
多くの議員が政策の内容云々の前に
党派や選挙に向かざるを得なく「職業政治家」と化してしまわざるを得ない実情等、

ビジネスのルールから見ると非合理的なことがたくさんあり、

前半はストーリーのベクトルがまっすぐだったのに対し、
後半はあちらこちらに話題が向いていくのが印象的
で、

みんなの党の解党や、
安保法修正案提出等、
なにげなく触れていたニュースの裏側の壮絶な攻防戦が
松田さんの視点からかなり赤裸々に率直に書かれていて、
単純にわかりやすくかつ、考えさせられました。


また、三和銀行を退行してタリーズ起業から20年、
「使命感」というキーワードを軸にリスクが大きい方を選択しつづけているというのが
この本の大きなテーマですが、
特に政界に入られてからほぼ360度、ルールと人、環境の差があった中で
それを貫き続けるというのは並大抵のことではなかったのではないかと想像します。


でも、使命感というのは、
自分が生きている間に叶えたい世界と、それに向けて自分ができることの道筋が見えた時に
自然と芽生えてくるもの
で、
及ばずながら私も日々、行動の選択は「使命感」に従うように心がけているのですが、

そういう意味でも松田さんの情熱が伝染してくる、
熱量の高い一冊でした。

松田 公太
講談社
2016-01-15