20代のはじめからすると、
私の今の読書量は100倍くらいになってます。
(年に2冊くらいしか読まなかったから200冊くらいになっただけですが)

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いや、ちょっと100倍は大げさかもしれないけれど、
確実に年間100〜200冊の間は読むようになったので、
とにかく読書という行為そのものが好きになったということをいいたいです。

私の出身校は特に中学からの国語のレベルが高いことが有名で、
なにはともあれ国語の授業がめちゃくちゃ怖かったのと
(あてられる質問の意味もレベル高すぎてわからなかったし、答えられないと結構怒られるんだけど怒られ方もレベル高すぎてとにかく恐怖な記憶)
 
高校に入ってからも現代文の授業は記憶している限りレベルが高くて、
テストがとにかくマニアックだったことを覚えているのですが、
("野火"のテストで「主人公がレイテ島で食べた芋の名前を答えよ」っていう問題が出て奇跡的に答えられて感動した)

そのおかげで今思うと大変ありがたいことに、
代表的な文学作品は自分から進んで読んだわけではないのに
かなり鮮明に頭の中に入っていて、すばらしい教養育成をしてもらったなあと思います。



ただ、その反動で多くの人と同じような"読書食わず嫌い"みたいなものは大人になってからもずっとあって、
社会人になってから、学校では教えてくれないIT系の知識とかビジネス書を中心にちょこちょこ読むようになったことから再び私の読書ライフがスタートしました。

大体、世界の偉人伝とか読んでいると、
子供のころはこんなことがイケてなかったけど(貧乏とか、病気とか、モテないとか)
読書だけは好きな子供でした、
という話が圧倒的に多くて、
私は10代〜20代の読書量本当に損したなと思います。
好きな男の子からのメール待ってる時間に読書してればよかった。



読書がどうして好きになったかというと、
結構単純な話で「面白い本しか読まなくなったから」

そしてそれ以上に「面白い本がどれか見分ける嗅覚がついたから」

ということが大きいです。



基本的に娯楽コンテンツ好きなので、
オタク級な宝塚以外も映画・ドラマ・ゲーム・漫画なんかは普通の人よりは恐らく全ジャンル多めにかじっているただのミーハーなのですが、
この年になって気づいたのは

「本の娯楽性が一番高いのではないか」

ということ。



視覚・聴覚を支配するという点で娯楽の王様は映画だと思っていたのですが、
映画はできてから約100年なのに対し、
本って、紀元前から書かれているので、とにかく点数が尋常じゃない。

多分、映画の代表的な名作を見尽くすことは時間をかければ10年くらいで可能な気がしますが、
この世にある本の名作をすべて読むのは、死ぬまでかかっても無理です。
「名作だけ選定して読んで」ですよ。

なので、今のペースで読んでも年間200冊で、
死ぬまでに読める本の点数を思ったら、
自分の人生だけでは読書時間が足りないので、
つまらない本を読んでいる場合じゃなくて、
とにかく面白い本だけを選んで読むことが大事
ということに気が付きました。

ただ、読書初心者にとっては、小さな本屋であってもおいてある本の点数が多すぎて、正直どれが面白いのかわからない。
平積みしてある本にもはずれはいっぱいあるので、要は、選ぶ能力を身につける機会がないから、読書離れが進むのだと思います。


昔は娯楽の中で本が占める割合が多かったから、
作家の名前ももっとメジャーで、どれが面白いとかも恐らく日常会話レベルでかわされていたのだと思うけど、
今あまり誰のどれが面白いというのは、本屋に足繁く通わないとわからないのではないでしょうか。


私の場合ラッキーだったは、前の主人が超がつく読書家だったので、本を買ってきてみては「これ、おもしろい?」と聞くと、
彼の評価が大体あたっているので、だんだん面白い作家や本の特徴を学んでいくことができました。


おかげで、今一回本屋にいくと10冊ずつとか本を買うのですが、
はずれの本はほぼひかない(全部おもしろい)し、読み始めて数分で、つまらない本は見分けて読むのをやめることができます。


なので、私が思うこの世で最大の娯楽、読書の世界に足を踏み入れるコツは、
とにかくしばらく、自分ひとりの判断力で本を選ばないで
本のパーソナルソムリエを近くにもつこと。

知り合いでもいいし、有名人でもいいので、本好きな信頼できる人を近くにもって、
その人がおすすめしているものをかたっぱしから読む、というのがオススメです。

そういう意味で最近この概念で爆発的な現象になったのが、読書芸人。
新宿紀伊国屋には読書芸人の3名がおすすめした本が並んでいる本棚がありますが
(たぶんまだある)
多くの人が信頼できる本のパーソナルソムリエ、として、
読書芸人という企画は本当に素敵だと思います。

私もこれきっかけで読んだ、教団X(中村文則)、生きるとかは何か(個人から分人へ)は
今年読んだ中でもバツグンに面白かったし、周りの人にも積極的におすすめしました。


読書量と年収は比例するなんていう伝説もありますが、
意外を娯楽に飢えている時間がある人は、読書の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。